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「よっ、におー!誕生日おめでとうっつのー!」
「におー先輩おめでとうっスー!」
唐突に目の前に飛び出して、
やる気があるのか無いのか定かでは無い間伸びした物云いで
赤也とブン太がにやにやと笑いながら仁王の行く手に立ちはだかった。
赤也の手には、まるで嫌がらせのように可愛らしく、
赤いリボンでラッピングしたプレゼントらしきもの。
仁王は二人を見るとも無くけだるそうに眺め、幾度か瞬きをした。
「そりゃありがとうよ、お二人さん。
ただ、俺の誕生日は昨日だったんじゃがのぅ。」
事も無げにのんびりと云う仁王の一言に、赤也とブン太は笑顔のまま動きを一瞬止め、
次の瞬間、素早い身のこなしで赤也はブン太を引っ張って仁王から少し離れ、
焦ったようにひそひそと話し始めた。
「ちょっ、丸井先輩どういう事っすか!」
「俺だって知るかよ!俺はちゃんと今日だって確かに柳に聞いたんだぞ!?」
「じゃあ柳先輩がガセ流したって事っすか?」
「だから知らねっつの!それよりどーすんだよマジ俺らばかみたいだろぃ、これじゃ!」
(…内緒話のつもりかしらんが、全部丸聞こえじゃ、赤也、丸井…)
こそこそと筒抜けの内緒話を焦ったように続ける二人を遠巻きに眺めながら、
仁王はつい堪え切れずにふっと噴き出した。
(これだからこいつら騙すのは止められん。あーかわいいやつらじゃホンマ。)
自分達が騙されている事にいつ気付くか、もう暫く傍観しておこうと思いつつ、
仁王は黙って二人の後ろ姿をにやにやと眺めていた。
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仁王BD
(05.12.4)
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