〜ますたんぐ物語〜
「中尉、そろそろ時間だ。」
「分かりました。」
彼女は声を掛けられるとすぐに手にしていた書類をさっと纏めて机上に置き、ペーパーウエイトを乗せる。
そんな仕草の一つ一つ迄もが全く彼女らしい手際であり、几帳面さでもあった。
すでに歩き始めたマスタング大佐の斜後ろにすっと付き従い、早足で颯爽と歩く彼女の背はぴんと伸びている。
「エドワード君達はどうなさったんですか?」
「あぁ、何分出かける事が決まったのが急だったからな、後日改めてということにしてもらったよ。
折角遅刻して迄来てくれた所を申し訳なかったがな。」
ふっと少々厭味なものを混じらせた面白そうな顔で笑うマスタング大佐に、
ホークアイ中尉はただ黙って瞬きを返しただけだった。
「ところで大佐、今朝お渡しした書類はお済みですよね?」
「 もちろんだ。」
「疑う訳ではありませんが、本当ですね?」
「本当だ!」
マスタング大佐の返事に妙な間が開いたことに気付いたホークアイ中尉は、淡々と念を押す。
当たり前の事を聞くなと云う表情を涼しいふりをして取り繕うマスタング大佐は、
今の恐怖を後の恐怖に変えるだけでおそらくは精一杯だった。
指令部前で彼等を待ち受けていた車に乗り込み、彼等は駅に向かった。
列車に乗る
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