其の銃は決して彼女を殺さない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

硝煙の残り香が染み付いた服。

埃が充満する空気は陽光に燃やされて渇いた茶色の霧になる。

 

銃声は近く遠く響いて横隔膜の怯えを誘う。

しゃくりあげたとしてもそれは涙を垂れ流したせいではないと主張できるので、

もっともっと重く低く私の腹の底に響いてくれれば良いのにといつも思う。

 

その反面、もうこんな残響を飲み込むのは此れが最後になれば良いのにと考えて、

両手にぎりぎりと握り締める鉄の塊をただ見つめた。

反軍の為のテロリズムにもはや正義など見出す事はできなくなっていた。

 

武器の所有も破壊行動も辞さない過激派の組織ではあるが、仲間は皆、私に対しては善くしてくれた人ばかりだった。

東部内乱で家族親戚全てを失って野垂れ死ぬ寸前だった私を拾い、生きる術を教えてくれ、仲間と云う新しい家族を与えてくれた。

リーダーは厳つい顔に似合わず、愛想も無く可愛げの無い子供だった私をそれでも可愛がってくれた。

 

場合によっては罪の無い市民を巻き込んでの血腥い作戦になることもしばしばだったが、

それでも私は軍に抵抗して軍事政権を倒す事が高尚な目的であることを当初は信じて疑わなかった。

良くも悪くも私はあまりに子供だった。

 

私は身体も小さいし男の子のような格好をしてはいたが女である事実はどうしようもなかったので、

非力故に前線に出て行く事は殆ど無かったが、射撃の腕を買われて遠距離からの援護が主な仕事だった。

青い服も黒い服もみんな「敵」で、自分の身の丈より少し小さいだけの大きなライフルを抱え、

狙いを付けて遠くにわらわらと散らばる黒いのと青いのを撃って行った。

 

遠くの地面で玩具のようにぱたぱたと小さな人形が倒れて行くのを見て仲間が私を褒めた。

よくやった、いいこだ、おまえはさいのうがある、すごいぞ。

そんな言葉ととてもやさしい笑顔を向けて、大きなごつごつした手が私の頭を乱暴に撫でてくれる。

其れが誇らしくて嬉しくて仕方が無かった。

 

しかし、ある作戦が終わった時、散り散りに逃げた仲間と集合場所で落ち合う途中、

収容され損ねた傷ついた青い服がひとつ路地裏でもがいているのを見掛けた。

傍らに転がっている銃は弾切れで、他にたいした武器ももっていないようだったので、

私はとどめを刺さなければと思い、近付いた。銃は背中に隠したままだった。

 

一人の子供が近付いてくることに気付いた青い服の男は、私を逃げ損ねた一般人だと勘違いをした。

そうして、あろうことか私に、痛みで引き攣りながらも笑顔を見せて、よかった、と云いながら血を吐いた。

けがはないようだな、よかった、ここはあぶない、はやくにげな、ぼうず、と、息も絶え絶えに云い、そのまま事切れた。

 

私の頭の中で何かが弾けた。

 

身体は熱いのにぶるぶると歯の根も合わぬ程震え、込み上げる吐き気に冷や汗が止まらなかった。

今迄私が狙いを定めてぱたぱたと倒して来た青いのや黒いのが、血の流れた人間だったことに私は其の時漸く気付いた。

 

舞台の上は甘い匂いのネバーランド。

其処から追い出されたとき、赤い緞帳が血の色である事を知り、キャンディは鉄と硝煙の匂いを漂わせて心を腐食させる。

世界は死の匂いがしていた。

 

 

 

 

 

 

いつもの男のような格好ではなく、普通の少女のような服を着て、仲間に頼まれた買い出しをしていた時のことだった。

通りかかった明るい昼間の公園では、きらきらと瑞々しい匂いのする噴水の畔でベビーカーを愛おしそうに覗き込む若い母親や、

転けつまろびつしながらはしゃぎ回る少年達の笑い声、ベンチに腰掛けながら眼を細めて彼らを見守る老人など、

平和と云う呼び名そのものの景色が横たわっていた。

 

其の景色の一員です、みたいな顔を取り繕って歩いては見たけれど、

髪や服や掌に鉄と硝煙のにおいが染み付いているのを誰かに咎められやしないかと思うと、胃が痛かった。

 

「おや、お嬢さん、落とし物だよ。」

 

早く此の公園を通り過ぎてしまおうとした時、突然後ろからそんな男の声が私を呼び止めたのに心臓を震わせ、

恐る恐る振り返ると、青い服を着た、まだ若い黒髪の軍人が私に向かってにっこりと微笑みかけていた。

私の怯えた様子に気付いて少し苦笑し、先ほどよりも柔らかい笑みで首を少し傾げながら、赤い花の刺繍が施された白い布を差し出した。

私のハンカチだった。

 

「可愛いお嬢さん、此れは君のだね?」

 

「…」

 

恐ろしくて喉が震えるあまり声が出せず、私はおどおどと頷く。

差し出されたハンカチを受け取ろうとしたのだが、手が強張ってなかなかそちらに伸びては行かない。

困ったな、と少し肩を竦めて見せた軍人は、私の目線に合わせて身を屈め、私を宥めるようにまた綺麗に微笑んだ。

 

「私はロイ・マスタング。

 見ての通り軍人だが、何、君みたいな可愛い子に、何もひどいことなんてしやしないさ。

 だからどうかそんなに怖がらないでくれたまえ。」

 

そう云って「マスタング」と名乗る軍人は、私に向かって手を伸ばし、

びくりと震えて固まる私の頭にぽんと手をのせ、壊れ物を扱うようにやさしく撫でた。

そうして私の手を取ってそっとハンカチを乗せた。

 

私の見知った「軍人」と云う存在とあまりに違いすぎる其の態度に恐ろしさより戸惑いが増す。

私の頭を撫でた其の手が甘ったるい程にやさしく温かかった。

 

「お嬢さんのお名前は何と云うのかな?」

 

「……。」

 

思わず答えてしまい、少し後悔した。

いつもは何かしら適当な偽名を使うのに、戸惑い驚いたあまり本名を告げてしまった。

いくら相手が私の事を知らないと云っても、此の事がリーダーに知れればきっと怒られるだろうと思った。

 

私の頭の中でめまぐるしく回転する思考に気付かない「マスタング」は、相変わらずにこにこと爽やかな笑顔を浮かべて、

少し上目遣いで窺うように彼を見上げる私の顔を覗き込んでいた。

 

「そうか、か。うん、素敵な名前だね。可憐な君にぴったりだ。」

 

正直、そんな事を云われたのは初めてだったけれど、歯の浮くような台詞、と云うのはこういうのなんだろうな、と思った。

この人はうさんくさい。ものすごくうさんくさい。

でも、親に貰った唯一のもの、大事な名前を褒めて貰った事に、決して悪い気はしなかった。

 

「…ありがとう。」

 

少し苦笑まじりにぎこちなく微笑んで云うと、少し驚いたように眼を見開いてみせた「マスタング」は、

それでもすぐにまた満面の笑みで私を見下ろしていた。

 

「君は笑顔がとてもよく似合うね。

 あと五年経っていたら、是非ともデートに誘っていた所だよ。」

 

歯の浮くような台詞で、うさんくさくて、呆れたけれど、

そんな事を何度も頷きながら心底実感したかのように云われた事が、ものすごく恥ずかしかった。

此の軍人はきっとすごく女たらしだ、と私の女の勘が警鐘を叩き割る程の勢いで鳴らしていた。

 

「…あなたがあと五歳若かったら、デートしてあげたのにね。」

 

何だか可笑しくなって来てしまったので、くすくす笑いながらそう切り返すと、

それは本当に残念だよ、と「マスタング」は楽しそうににこにこして云った。

其の笑顔を見ていると、胸が痛くて息が苦しくなった。

でもそれは恋じゃない。夥しい恐怖と罪悪感だった。

それから少しだけ言葉を交わして、私は「マスタング」と別れた。

 

不可抗力とは云え軍人と接触してしまったので、いつもよりも念入りに周囲を警戒しながら慎重にアジトに帰った。

帰る路すがら、私は記憶に引っかかっていたマスタングと云う名前を必死で記憶と照合して行く内、

この街を管轄する東方司令部の司令官であり、焔の二つ名を冠する国家錬金術師でもある国軍大佐の名前を思い出し、私は一気に青褪めた。

 

去年起こした軍用車の爆破テロ計画を練っている際にも何度も其の名を耳にした。

リーダーからも仲間からも要注意人物だと忌々しそうに其の名を吐き捨てられ、危険視されていた。

私もそいつには気を付けろと口を酸っぱくして皆から注意されていたのに、

どうして咄嗟に気付かなかったのかと思わず口元を覆って呻き声を堪えた。

 

どうにか何でも無いふりを取り繕えるようになってからアジトに帰り、

いつものように仲間から、何か変わった事はなかったか、と訊かれたが、

私は何故かロイ・マスタングの事を口にする事が出来ず、気付けば、何も無かったよ、といつものように笑ってみせていた。

 

仲間にもリーダーにも何故かどうしても云えなかった。

家族である彼らにこんなに大事な事なのに隠し事をしたのは初めてで、後ろめたい気持ちでいっぱいなのに、

いつものように振る舞って気付かれないように取り繕う事ばかりを考えていた。

 

(大丈夫、接触したと云っても、向こうは私のことなんてこれっぽっちも気付いてなかったわ)

(大丈夫、話をしたと云っても、何のたわいもない事ばかりだし、云う必要なんてないんだわ)

 

近頃自分を取り繕う事ばかりが増えていた。

自分が犯して来た罪悪の意味にようやく気付いたときには、もう既に私は引き返す事が出来ない所にきていた。

私は殺し過ぎた。

血と泥の河に肩迄沈んでしまった今、もう汚れを雪ぐには遅すぎた事を私は知っていた。

 

そして、彼らの間違いを正す事等もうできないし、罪と知っていても彼らを軍に引き渡す事も決してできない。

人殺しでも、罪人でも、私はそれでも私の「家族」があまりにもだいじで、だいすきだったのだ。

恩を仇で返すなんて、考えた事も無かった。

 

夜中に、粗末な狭い屋根裏部屋で、固いベッドに横たわって月明かりに浮かぶ天井の木目を凝視しながら、

昼間会ったあのロイ・マスタングと名乗った軍人の事を思い出した。

 

あんなにやさしく笑った。

あんなに恥ずかしい、でも嬉しい言葉を、当たり前みたいな顔をして云ってのけた。

あんなにやさしく頭を撫でた。

 

其の手は温かくて、痺れるように甘かった。

朧げに記憶に残る両親のそれとも、がしがしとかき混ぜる力強い「家族」達のそれとも違う、

優しくて、心がぎゅっとなるような手付きで。

 

その蜜のようなあまやかさと同時に、私の脳裏に爆発音と、血の匂いと、怒号、銃声、

暗黒の煙、ぱたぱたと呆気無く倒れていく人間の姿がフラッシュバックした。

マスタング大佐の顔を見たのは今日が初めてだったけれど、「作戦」の時には何度もその攻撃の威力を見せつけられた。

 

何処からかぱちぱちと爆ぜるような小さな光が空気中を伝って来たかと思うと、

耳を劈くような爆発音と共に焔と爆煙が全てを焼き付くし、凪ぎ払った。

何度も目の前で仲間が黒焦げになってもがき焼け死んでいくのを見た。

 

昨日迄私を可愛がってくれていた仲間を目の前で殺され、姿を見た事も無い「焔の錬金術師」を心底憎み、殺してやりたいとさえ思った。

撃ち殺してやりたいくらい憎んだ「敵」の姿と、私に微笑んだ「マスタング」が上手く重ならない。

いや、重ねたくなかった。でも理性は同一人物であると厭でも認識していた。

 

ただの「敵」が、生身の人間であることを知ってしまった以上、私は此の矛盾の枷を抱えて身動きができない。

仲間を裏切れない。

でも敵も殺せない。

武器を捨てる事も出来ない。

その先に私が得た答えを、誰にも否定する事なんて出来ない、と私は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや、君は…確か、 と云ったね。

 やあ、また会ったね。」

 

あれから暫くした頃、私はまた買い出しの途中であの公園を通った。

少し休憩しようと隅っこにあるベンチに座ってぼぅっと何を見るでもなく景色を眺めていると、

皮肉にも偶然は重なるものなのか、私は再びこの公園でマスタング大佐に出くわした。

 

驚いたように思わず彼を見た私に気付いたマスタング大佐は、

少し眼を丸くし、にっこりと笑って右手を上げてみせた。

 

「…こんにちは。」

 

私もぎこちなく笑い、小さく挨拶をすると、彼は嬉しそうに頷いて挨拶を返した。

隣に座っても良いかと尋ねられ、困惑しながらもかすかに頷くと、優雅な動きで私の隣に腰を下ろす。

 

「偶然にもまた此処で君みたいな可愛いお嬢さんとご一緒できるとは、私はとても幸運だ。」

 

嘘みたいな爽やかさでにこにこ私を見ているマスタング大佐にちょっと身を引きつつ、曖昧に笑うに止めた。

そんな事を平然と云ってのける彼が非常に恥ずかしくていたたまれなかったのだが、厭だとは思わなかった。

でも胸の痛みは増すばかりで、どうかそんなに優しい顔を彼にさせないでくださいと、信じても居ない神様に切実に祈った。

 

耳の奥に爆音と悲鳴が、頭には温かい手の感触が。

心は千切れるような痛みが、視界には綺麗な笑顔が。

食い違うばかり、されどどれも現実で、矛盾の亀裂に身体が潰れそうだ。

 

「マスタングさんは…」

 

「うん?」

 

「…マスタングさんには、だいじなひとが、いますか。」

 

俯き気味に小さくそんな事を突然私に尋ねられ、少し不思議そうにしながらも少し思案して、彼はしっかりと微笑んだ。

 

「ああ、そうだね、大事な人はたくさんいるよ。君は?」

 

「私も、居ます。だいじなひと。…たくさんいます。皆、大好きで、大事で、ずっと、一緒に居たいです。

 …マスタングさんも、とても優しいから、すきです。」

 

「麗しい嬢にそう云って頂けるとは、私はとても幸せ者だね。光栄だよ。」

 

ちょっと芝居がかった身振りで大袈裟に云ってみせた大佐に少し吹き出すと、彼も可笑しそうに笑った。

笑顔をみていると、どきどきして嬉しくなるのに、未来を思って泣きそうになる。

 

「みんなが、しあわせになったらいいのになぁ…。」

 

思わずそう呟くと、君は優しい子だね、とマスタング大佐は穏やかに眼を細めて私を見た。

そんな眼で私を見ないで欲しかった。

これから、皆の幸せが奪われて行く罪を犯さなければならない私が、云っていい言葉なんかじゃなかったのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間後、「作戦」は決行された。

何年も続いて来たテロも、此れが最後になる、とリーダーは硬い表情で最後の会議にて演説した。

そうして私達の組織は、命を捨てる覚悟で最後の反乱を起こした。

 

私は作戦本部となるアジトの一室の窓からひっそりと機会を窺い、援護しつつ敵の頭を潰すよう命令が下った。

敵の頭、この反乱の鎮圧にあたる東方司令部司令官。

握ったライフルの銃身は、馴れたものであるはずなのに、その感触にはあまりにも現実味が無かった。

 

最後の徹底抗戦とは云え、優秀で多勢の国軍と武器でも数でも劣る弱小組織とでは、最初から勝負は眼に見えていた。

誰がどうみても、私も、恐らくはリーダーさえも、万が一にも此の戦いに勝ち目も意義も無い事は解っていた。

それでも仲間は皆死ぬ迄武器を掲げて黒い服にも青い服にも全てに抵抗した。

 

部屋の暗がりからライフルを構えながら外の戦闘の様子を見下ろせば見下ろす程に絶望的な大敗だった。

仲間がどんどん死んで行くのを見ていることしかできなかった。

 

撃たれて死に、刺されて死に、灼かれて死に、皆、私をおいて先に行く。

軍のひとも仲間もどちらもみんな幸せになって欲しかった。

もっとずっと一緒にいたかった。

殺したり殺されたりしないで一緒に幸せになりたかった。

 

ただずっと、いっしょにいたかった。

 

どうしてこんな結末しか辿れなかったのだろうと思うと、どうしようもなくて、哀しくて苦しくて切なくて、

こんな酷い話を平気で創る、神とやらを憎んでも憎みきれなかった。

そして何より仲間を止める事も裏切る事も、どちらにも着けず何もできなかった自分が憎かった。

 

廊下の向こうから、一発の銃声が聴こえて、私はライフルを構える手が震える程動揺し、

顔からざぁっと音を立てて血の気が引くのを感じた。

何の為の銃声か、その唯一瞬で気付いてしまった。

一発きりのその音は、リーダーが自らの手で、其の命に幕を下ろした事を意味していた。

 

私達はもう終わりだ。

 

裏口の方から決して小さくない爆発音が聴こえ、ばたばたと軍靴を踏みならすような音がアジトになだれ込む。

彼らはすぐにでも此の部屋に辿り着くだろう。

私はもう何を考える事も出来ず、のろのろと抱えていたライフルを側に立て掛け、懐に閉まっておいたオートマティックの小さな銃を取り出した。

弾丸を全部抜き取り、一発だけ込め直して小さなその銃を抱き締めながら膝を抱えて壁際に縮こまり、座り込む。

 

胸の冷たい小さな塊の感触を確かめながら、私はとろりと頬を涙が伝うのを黙って感じていた。

どうすれば、もう少しマシな結末を選べたのだろうか。

こんな結末を迎える為に、わたしたちは生まれてきた訳じゃなかったのに。

緩慢な頭の中でそればかりを考えた。

 

足音が部屋の前でぴたりと止まり、一瞬の沈黙の後、二人の軍人が扉を蹴り開けて銃を構え、部屋の入り口付近に踏み込んだ。

其の後ろから、白い手袋を着けた右手に悠然と銃を携えた、黒髪の軍人が冷たい眼をして入り口にかつりと立った。

 

殺気と銃口を向けられているのを感じながら、淡々と涙が流れ続ける顔を静かに上げて男を見上げると、

彼はひどいものでも見たように驚愕で眼を見張って顔を歪めた。

 

「…なんてことだ…。」

 

苦々しく小さくそう呟かれた言葉を聞いて、銃を油断なく構えた二人の部下が訝し気に上官の様子を窺う。

きつく眉を寄せた厳しい彼の顔を見上げて、私は涙も拭わずただぼんやりと微笑んだ。

 

「…ごめんなさい。ありがとう。」

 

そして、私は眼を閉じて、こめかみに決断の銃口を、そっと押し当てた。

 

耳の奥で懐かしい子守唄が聴こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしこれは悲劇ではない

此れから再生の歩を進める「彼女」のはじまりの物語

 

next.

 

(08.9.19)

 

 

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